工場に作業環境測定士が必要な理由とは?やりがいや仕事の難しさ、なり方も解説します
作業環境測定士とは、作業環境を守るための環境測定を行うのが仕事です。職場環境を維持するための大切な職務ですから、やりがいを感じて働いている方も大勢います。この記事では、作業環境測定士がそもそもどんな仕事なのか? どうすればなれるのかを解説していきます!
目次
作業環境測定士とは? 工場にはなぜ絶対必要なの?
工場では、健康被害をもたらす放射性物質などを扱うこともあります。作業環境測定士とは、それらの物質の量を測定し、労働環境を適正なものに戻すのが仕事です。工場で働く労働者の健康を維持するために絶対に必要な職だといえるでしょう。
さらに、労働安全衛生法第65条において、有害な業務を行う屋内作業場等では、作業環境測定士を置かなくてはならないことが定められています。ですので、工場には必ず作業環境測定士が必要になるのです。
また、工場だけでなく、建築現場、調査会社、病院などでも作業環境測定士は活躍しています!
工場の作業環境測定士の主な仕事内容とは?
作業環境測定士は、有害物質が発生する現場ならばどこでも需要があります。ですが、作業環境測定士が一番活躍しているのはやはり工場です。ここでは工場の作業環境測定士のお仕事についてみていきましょう。
作業環境測定士は未経験ではできない!
作業環境測定士は、国家資格が必要な職業です! 大学や専門学校を卒業後、実務経験を積んでから国家資格を受験することでなることができます。
仕事内容
工場の環境改善が主な仕事です。具体的には以下のような仕事内容が存在します!
有害物質の流出がないかを調査
工場で使われることが多い薬品の中には、有害物質を発生させるものもあります。作業環境測定士はサンプリング調査をとおして、有害物質の流出がないかを確認します。
工場環境改善方法を提言する
仮に有害物質が流出していることが判明した場合、改善方法を提案します。
工場の作業環境測定士のやりがいと仕事の難しさとは?
工場の作業環境測定士のやりがいと仕事の難しさは以下のようなものがあります。
多くの人の健康を守れるのがやりがい!
作業環境測定士になれば、働く人の健康を守ることができます。働いていたら、現場スタッフから「守ってくれてありがとう!」とお礼を言われることも。
目の前にいる人たちを守って健康維持の協力ができるのがなによりのやりがいだといえるでしょう。
ある程度の腕力が必要とされるのが難しいところ
作業環境測定士は、測定のための機材などを持ち運ばなくてはなりません。機材の中には重量があるものもあるので、夏や冬は大変なこともあるのです。
また、基本的に一人での作業になるので、すべてを自分の責任で決めていかなくてはならないのも難しいところだといえます。
作業環境測定士が向いている人・向いていない人
作業環境測定士にも向き不向きが存在します!
一人でデータ処理などをコツコツできる人が向いている
作業環境測定士は、労働者にとって有害な物質が発生していないかをしっかり見極めなくてはなりません。ですから、理系分野が得意で、集めたデータを正確に分析できる人が向いています!
また、作業環境測定士は各工場に一人だけしかいないということが多いです。ですから、一人でも平気で、ストイックに作業ができる人に向いています。
グループワークをしたい人には向いていない
作業環境測定士は、すべて一人でやっていく仕事です! 測定の仕事はもちろん、スケジュールを組んだり報告書を作成したりする作業も自分でやっていかなくてはなりません!
そのため、誰かに相談したりしながらグループで働きたいという人は不向きです。責任感を求められる仕事なのです。
作業環境測定士に必要な知識とスキル、資格について
作業環境測定士には有害物質に関する知識とスキルが必要です! さらに、国家資格を取る必要もあります!
有害物質に対する専門知識と分析力、さらにはコミュニケーション力が必要
工場で有害物質が発生していないかを知るために、有害物質に関する知識はもちろん、現場を見極める実践力が必要になります。さらに、正確な検査を行う分析力や情報収集力なども大切。
また、もしも問題があることがわかった場合、工場の責任者などの依頼主に現状を報告し、解決方法を伝える必要が出てきます。そのため、コミュニケーションスキルも必要です!
作業環境測定士になるには資格が必要!
作業環境測定士になるには資格が必要です。
資格の種類・・・二種ある!
第一種と第二種があり、第一種の方が上位。第二種の合格者しか第一種を受験することができません。
受験資格
理系の大学や専門学校を卒業し、労働衛生実務経験が1年以上あること。実務経験が5年以上であること。などのさまざまな条件があります。
難易度・・・合格率は40%!
合格率は、第二種ならば40%、第一種ならば70%程度。狭き門といえるでしょう。
資格を取れば終わりではない! 作業環境測定士の講習も受ける必要がある!
作業環境測定士は資格を取ったらすぐに働けるわけではありません! 資格試験を合格した後に、公益社団法人日本作業環境測定協会などが実施している講習を修了し、作業環境測定士として登録してもらわなくてはならないのです。
講習は2、3日程度、予約をして受講する必要があります。
資格をとったら効率よく求人を探しましょう
無事、資格を取って登録のための講習も受けたら就職先を探していくことになります。作業環境測定士になるための専門学校などを卒業したら、学校経由で就職先を紹介してもらえることも多いです。
また、自分で探す場合は、工場・製造業・物流の求人に特化した転職サイトを使うのが、求人も多く効率が良いのでおすすめです!
おわりに 安定した職である作業環境測定士を目指そう!
作業環境測定士の活躍の場は、工場などだけでなく建築現場や病院など多岐にわたります。安定した収入が期待できますし、労働者の健康を守れるのも嬉しいところでしょう。
作業環境測定士の資格は国家資格で、実務経験や専門学校に行ったりする必要もあるので簡単には取得できません! しかし、やりがいも多いですから、一人でコツコツ働くのが好きな人は取得を検討してみる価値は十分あるでしょう。